腋臭手術について

11月と12月に腋臭を治療する手術を受けてみた。なぜ2回手術するかというと両脇を片方ずつ手術するため。両方同時に手術することはできない。なぜならば、しばらくの間手術したほうの手がうまく使えなくなってしまうから。

これは驚きだ。

なぜ腋の手術をするだけで片手が使えなくなってしまうのか?

それは肩を固定する必要があるためである。癒着を防ぐために、肩を一定の角度で固定しなくてはならない。少なくとも1週間程度は肩を固定したままにしておかなくてはならない。手術してから3日間程度は動かそうとすると激痛が走るため、肩を動かすことができなくなる。

この手術を行うには準備が必要

夏休みや年末年始の初日に手術するなどのスケジュール的な工夫を行わないと業務に差し支える。手術の翌日はキーボードを打つことが辛い。手術した方の手はほとんど使えなくなるので、左手を手術したら右手だけで入力することになる。というか動かさないことがベターなので、そもそも手術から2、3日は仕事しないほうがいい。

腕の位置が外見的に変

常に腕が少し上げた状態になっているので、人とすれ違うときに肘打ちを当ててしまう。エスカレーターに乗るときには手術した側がエスカレーターの外を向くようにする。夏だと手術したことがわかりやすいので、冬に手術したほうが目立たないだろう。とりあえず自分に関しては常にコートを着ていたせいか奇異の目で見られることはなかった。たとえ本人は痛さを我慢していても特に違和感を抱かれることはなかった。片手を少し上げているということはそれほど不自然な所作ではないものと思われる。会社の人にも自分が言うまでは気がつかれなかった。

痩せている男性は不利

腋を触ってみればわかるのだが、痩せている男性の場合は脇の下が窪んでいる。手術は皮膚の下の腋臭の原因となる組織を切除するものなので、術後は皮膚とその下の組織は離れた状態になる。困ったことに脇の下が窪んでいる場合は、筋肉の緊張につられて皮膚が両側に引っ張られる。そうすると皮膚が浮いてしまい、いつまでも下の組織とくっつかないのだ。筋肉の緊張は無意識的に行われることが多いため、思ってもみないシーンで突然激痛が走ることになる。基本的に重い物は持てないし、伸びをすることもできなくなる。全身の筋肉が緊張するくしゃみとかもヤバイ。全身を使った運動は術後1週間程度は禁止だ。

着替地獄

手術後は着替ることが難しくなる。下手に着替えると傷口が開くし。あと自分の場合は12月は両脇に包帯した状態だったのだが、そうすると自分で包帯を替えることが難しくなる。(例えば右手で右脇に包帯することになる)道行く人とかに「包帯替えてくれませんか?」と頼みたくなるので、両脇を重複した期間で手術する場合には、家族や同居人とかがいたほうがベター。

包帯のテープが痒くなる

包帯を貼っておくためのテープがあるのだが、これが痒くなるのでどうしても掻いてしまう。いくつかテープを買ってみたのだが、どのテープも満遍なく痒くなるようだ。掻いたら肌が傷ついてしばらくの間跡が残ってしまうが、諦めるしかない。

でも治り始めたら清潔にしたほうがいい

自分の場合は触ると痛いのでいつまでも適当に洗っていたのだが、逆に老廃物が貯まってしまい膿のようになってしまっていた。2週間程度経過した以後はちょっとくらい痛くてもゴシゴシ洗った方がよいようだ。洗えるくらいになったら腕を使わないジョギングなどの運動はしてもよいようだ。

跡がどうなるか

真ん中だけ毛が生えていないという変な状態に。周りのほうの毛はちょっと残ってますが、かなり少ない。まあ人に見せるものではないので、どうなろうと構わないんですが。傷跡自体は目立たなくなってます。

費用など

保険が効くので1回の手術は2万円程度。ただし、術後は経過を見るために何度も病院に行く必要がある。手術を含めて10回くらい通院しているような気がする。仕事のある人は手術以外にも病院に行くために有給休暇を十分に用意しておく。手術以外はすぐ終わるので会社の近くの病院にすれば会社を抜け出して診察してもらうことも可能。仕事をしていない人は通うのを簡単にするためになるべく家の近くの病院にしたほうがよいだろう。
手術そのものはたぶんそれほど難しいものではないので、病院をあまり選ぶ必要はないように思う。腋臭手術を行う病院については患者、医師ともに女性が多いと思われるので、「女医に見られるのは恥ずかしい」という人は男性の医師を選択するべきだろう。

効果

2日くらい同じ服を着てもほとんど服が臭くなくなる。汗のニオイしかしません。逆に自分がその服を着たのかどうかがニオイをかいだだけではわからなくなりますw洗濯の頻度が減ります。腋臭用の消臭スプレーを使わなくてもよくなりました。手間を減らすことと経済的な効果が大きい。

感想

個人的には初めて手術というものを受けたので、人間の皮膚を切り裂くということに驚きがあった。このグロさに耐えられる外科医という職業は超能力者だと思う。あと看護師の人が術後の着替とか手伝ってくれて親切で癒された。神です。

秋葉原スキンクリニック
http://www.akiba1212.com/

追記

半年ほど経過した現時点(2010年6月)では臭いが若干戻ってしまっている。やはり一度の手術ですべての細胞を取りきれるわけではなく、一部の細胞は残ってしまっている。髭の脱毛をしたことがあるんだが、同じように数ヶ月後には以前の状態になってしまう。何度かは手術することが必要なようだ。うーむ。