神の誕生

簡単な宗教の作り方 - 社会システムをどう変えるかで、
「神の生まれた物語」を作ることによって宗教的なマインドコントロールを解く
って話をしたと思う。
嘘を基底にした概念体系なんてよくないに決まっているので、早めに無効化するに越したことはない。
「神を創造する物語」で逆洗脳するって目論見なんだけど、その物語の詳細を考えている。

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どうやって神様が生まれてきたんだろうか。
神様が必要なのはどんな場面か。

はじめは生活法しか存在しない。
「こういうときにはアレをしてはいけない」とか「このときはこうするもの」というルールがある。
じゃないと、いろいろと危険なことがあったり、問題が発生するからだ。
ルールのない集団はルールのある集団に比べて長期的には自滅する可能性が高いと思われる。

ユダヤの最初の集団もルールを作ることによって生き残ってきたに違いない。
でも、そんなのは世界中の多くの小集団が行ってきたこと。
日本の古代集団だってルールはあったに違いない。

で、問題なのはここから。
なぜ、「唯一神」なのか?

唯一神といえばイスラム教、キリスト教ユダヤ教なんだけど、
とりあえず全部ユダヤ教がもとになっているので、ユダヤ教のことを考えてみる。

日本の神の成り立ちを考えてみると、例えば天皇は途中から神ってことになった。
つまり祖先の権力者を崇拝するってことなんです。
古代の王は後世に神格化される可能性がある。

ってことは逆に、神ってのはもともと古代の王であった可能性があるんじゃないかな。

というわけで、勝手に「ヤハウェさん」という古代の王がいたことにします。

えっと、もしも権力者が複数いたり共和制の政体だったら、たぶん唯一神ってことにはならないでしょう。
唯一神が発生するためには、独裁制みたいな本当にワンマンな政治体系の必要があるように思う。
たった一人がすべてを決定するような仕組みになっていないと、唯一神は発生しない。

なので、ヤハウェさんはかなりの豪腕です。
あと崇拝される王ってのはだいたい領土を増やした場合が多いと思うので、戦争大好きさんの可能性がある。

つまり、小さな集団の頭領だったヤハウェさんが、武力でもってまわりの集団を併呑したんじゃないかな。

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ってここまで考えてからちょっと調べてみた。
えとね、ヤハウェさんは最初はたくさんある神様のうちの一つの神様でしかなかったみたいだ。
まあ土地の支配者なんて土地の数だけいるだろうから、たくさんいて当然ですね。

それがなぜ一人だけが注目されるようになったんだろうか。
他の神様はどうして信仰されなくなってしまったのかな?

それは経典が法律的な性格を持っていたからではないだろうか?
もしも複数の対立する神々を信仰していたら、「絶対的に正しい」ということを言えなくなってしまう。
刑法というのは「瞬間的な正しさ」を要求するものだから、
複数の曖昧な基準があるようでは現実に適用するときに困ってしまう。