マイクロソフトのCMを勝手に考えてあげる

昨日テレビを見ていたらマイクロソフトが協賛になってました。で、協賛ですからCMがはいるんですが、マイクロソフトのCMはどうも変な感じ。
IBMのCMみたい。企業の経営者に向かってアピールしようとしているようなCMばかりです。マイクロソフトはインフラのコンサル営業に特化する会社になっちゃったんですか?
というかそもそも経営者ってそんなにテレビを見るものなんでしょうか?自分の会社経験から言うとたぶん上のほうの人ほどテレビ観てないと思うんですけど。視聴者のうちの何パーセントがマイクロソフトの製品を導入するかどうかを判断できるような立場にいる人なんですか?CMの費用対効果が低すぎじゃないでしょうか?経営者に漠然としたイメージを植え付けることが「コンサル化しているであろう日本マイクロソフト」的には死命(?)でそのためにはなりふり構っていられないっていうことの結果としての選択がテレビCMなのかもしれないんだけど、方法がスマートじゃない。
経営者を狙うならゴルフ場とか料亭に広告を出したほうが断然効率がいいと思う。(料亭にマイクロソフトのでかでかとした看板があったら絶対に忘れません。マイクロソフト謹製割り箸とか個人的に欲しいです)

端的に言うと「アップルのCMのほうがおもしろい」んです。これだけのお金とCM枠があればもっと面白いことができるし、マイクロソフトのイメージを向上させることもできるはず。つかコンサルなんてぜんぜん収益になってませんが、(資料ふるいけど)http://eri.netty.ne.jp/honmanote/comp_eco/2005/0117.htm これからがんばって利益出るようにするのかなあ。それとも営業が企業に食い込むことが重要で、利益はソフトで確保するのかなあ。うーん。

OSやコンシューマソフトウェア会社としてのマイクロソフト(世界のマイクロソフト)のテレビCMとしては、1%いるかどうかわからない経営者を狙うよりも99%の普通の人をターゲットにしたほうが妥当な判断だと思います。

で、勝手にCMを考えてあげることにしました。

1、ビルゲイツ
ビルゲイツさん本人がマイクロソフトの成り立ちを説明します。彼が扉を開けると、最初の部屋では、若き日のビルゲイツさんがBASICのプログラムを書いてます(コンピュータは使っていない)次の部屋は雑多な品物が積みあがった小さな会社で、MS−DOSを開発しています。その次の部屋は中堅のオフィスビルの室内でWindows3.0を開発しています。その次の部屋は巨大なフロア全部が開発室でOfficeやIEを開発している。最後の部屋は一台のPCしかない居間です。PCではWindowsが起動している。「あなたの手元に私が作ってきたもののすべてがあります」とビルゲイツが言って終わります。

ポイントはビルゲイツさん本人にかなり大きなネームバリューがあることです。たぶん今はそんなに忙しくないだろうし、すでにマイクロソフトに対しては実権がないはずなので「経営手法や采配によって今以上に印象が悪くなる」ということは発生しません。慈善事業をやっているし、これからはイメージが向上するしかない。マイクロソフトの完璧なイメージキャラでありながら、リスクはゼロなのだからこの人をCMに使わない手はない。「確実に(ある特定の)一人の人間の手によって作られたものを使っている」という感覚は重要です。CM自体も印象に残りますし、昔からマイクロソフトのことを知っている人には感慨深いCMになるんじゃないでしょうか。でも昔のことを知らない人にはいまいちアピールできないかもしれないですね。

2、パソコンの使い方学習編
まだまだ一般の人にはパソコンでなにができるかがよく知られてないと思うんですよ。特に田舎にいるおばさんとかにはさっぱり使い方が認識されてない。
現在のCMでは「未来ではこんな夢のようなことが」といった抽象的な表現が行われますが、じゃなくて「今なにができるか」が問題だと思います。今でもパソコンでできる多くのことは「やり方を知らない人にとっては魔法に見える」んです。

パソコンでできることを手順化して説明するというビデオを作り、順番にシリーズ化してCMにする。消費者に向かってパソコンそのものを売り込むんです。シェアの大きいマイクロソフトだから(パソコンが売れればほぼ自社の利益になる)こそできる荒業です。

例えばこんなシリーズはどうでしょうか?

・パソコンを買う
・回線を申し込む
・パソコンを設置する
・設定をする(ここは現実には微妙にバリエーションが発生するので、曖昧な表現になってしまうかも)
・メールを送る
・検索の仕方
・買い物をする
・掲示板に書き込んでみる
・ピザの注文
・航空券の注文
・地図を調べる
・病気の症状や薬の効能を調べる
・ニュースで発生している出来事の詳細を調べる
・パソコンで音楽を聞く
・Youtubeで動画を検索する
・見知らぬ人とチャットをしてみる
・株を買う
・MMORPGをする(ゲーム内容やグラフィックよりも、プレイしている同士の関連性を重視する方向で)
・Amazonで書籍を購入する
・DVDレンタルをする

「まさしく今テレビを見ている消費者本人」の利益がはっきりするので、CMの効果は大きいと思います。「未来のいつか」ではなくパソコン買えばすぐにできるんだから誘引力強いよ。というか、こんな基本的なことですらパソコンを使ったことのない多くの人は知らないんですよ。おかしくないですか?CMだとあまりにも簡単にできるように見えてしまうために初心者のクレーム対策に追われる結果にはなるとは思いますが、関係者全員にとって利益のあることなのでこういう地道な説明(というかプレゼンテーション)をやらない理由はないと思います。現状は機能についてのアピールが絶対的に不足しているのです。

3、「PCであんな人がこんなことを」編

アメリカでFFオンライン大好きなお婆さんがいましたけど、彼女をCMに出したいです。PCの使い方としてすごくインパクトがあると思う(個人的な野望としては日本の老人の人にもMMOをやらせたい)地方のマイナーな商品がネットで販売されてヒットした例を探し出して、当事者にインタビューする。

PCのちょっとした便利な使い方を道行くOLに聞くのもいいと思う。「パソコンの話題というのは日常会話なんだ」っていうところをアピールするのが重要。まだまだパソコンに障壁を感じている人っていると思う。特に学生なんかだと「パソコンが得意な人はオタク」とかって雰囲気がまだあるんじゃないかな。そういうネガティブなイメージを払拭したい。PCがごく普通に生活の中に存在するべきもの、っていう雰囲気を作り出せたらCMとしては成功。