中国人とゲーム脳

チベットのことを考えていると中国という国の謎に辿りつく。えっと、つまり虐殺なんてどうでもいいわけです。
彼ら中国のみなさんにとっては虐殺とか拷問とかはただの手段であって、
虐殺そのものがいいことだとか悪いことだとかとは考えないんですね。

虐殺ってのは目的を達成するための方便であり、道具なんです。
彼らにとっては目的こそが重要であり、そのために使う手段はどうであってもかまわないんですよ。
政治的に、短期的に効果がありさえすればそれでいい。

えーと、面白い発想ですね。
自分は虐殺とか拷問は「そもそもがよくないこと」で「人権侵害」であると考えていました。
拷問は明らかに人間の自由な思考に対する攻撃ですし、
意に染まない他人の意思を強制的に捻じ曲げる行為です。
これを平気な顔で実行できる人たちが大量に存在することが恐ろしいですね。
日本で言えばレイプする人とか暴力行為をする人とかと精神構造が似ているんじゃないか。
他人の痛みについての想像力が欠落しているのでしょう。

もっと想像力を鍛えたほうがいいと思います。
人の痛みを学んだほうがいい。
映画や物語を多くの人が楽しめるようになると、想像力は一般的になるのかも。



あともう一つ個人的に重要な発見がありました。
南京大虐殺について中国の人たちが怒っている理由は「人権侵害だ」という理由ではなかったんですね。
なにしろ「虐殺や拷問は手段としては不当ではない」のですから、別に三十万人殺されようが、
殺すこと自体にはなんら問題はないのです。
彼らが怒っているのは「自分の国の人たちが殺された」という一点ですね。

人道的な見地から怒っていたわけではなかったのね。
てっきり「とても人権に敏感な人たちなんだ」と思っていたのに。
その怒りはナショナリズムの怒りです。
高校野球で自分の出身地のチームを応援している人たちと一緒です。
その感情にはほとんどなんの根拠もないんです。
「たまたま郷愁を掻き立てられたり、思い入れのある地名を背負っている」ぐらいの共通点しかない。

なーんだ。

そんなくだらない怒りだったんですね。
そんなことのために怒っていたのか。がっかりです。
彼らはきっと隣国の人たちが何百万人殺されようが一切かまわないんでしょう。
なぜなら「隣国の人たちは中国人ではない」から。
中国人であることがすべてであり、それ以外の人々は人間ではないのです。

高校野球で負けたことで怒っているのと一緒で、
彼らにとっては同胞の死でさえもゲームの一部でしかない。
なんて幼稚なんだ。

というかほっとしました。
たぶん日本軍は虐殺したとは思うけど、こういう人たちを虐殺したのならまあそれほど良心は痛まないというか。
ナショナリズムは性欲と同じくレガシーであって、それに振り回されるのは控えめに言っても馬鹿げたことです。

アフリカとかの端っこのほうで延々と部族間の戦争をしている人たちと発想がほとんど一緒。
いったい世界の流れに対して何年遅れているんだろう。

視野の広い見方ができないんですね。
虐殺によって失っているものがなんなのかがわかっていない。
「人権なんてものはドブに捨てろ」と世界に向かって言っているようなものです。
一種の「人間は無価値」宣言ですね。
鬱病の人が考えそうなことです。

とりあえず「政府への信頼」は明らかに失われてますね。
北京オリンピックに対して中止運動をしていた人が懲役5年を言い渡されたみたいですが、
その弁護士が控訴しない理由がふるっています。
「裁判所が信用できないから」です。

控訴できない裁判所にどんな意味があるんでしょうか。


あと面白いのはシーシェパードのサイトに行くとなぜか日本の南京大虐殺が責められているんですけど、
シーシェパード南京大虐殺に興味があることが不思議です。
シーシェパードには中国人のメンバーがいるんでしょうか?
中国の人は絶対に鯨を保護しようなんて言えるはずがない。
人間の権利さえも大事にされてないのに鯨の権利を守るなんて本末転倒です。

あー、というかこれもたぶんナショナリズムというか幼稚なゲーム感覚の為せる技ですね。
「相手が少しでも弱点を見せるとそれにつけこむべきだ」というポリシーが浸透しているのでしょう。
自分が指摘していることに矛盾があっても気にしないんでしょうね。

総合的に、すごく子供っぽいんです。
すべての物事に対して行動するときに本質を考えることなく場当たり的な対応しかしない。
世界全部、人生そのものがゲームだと思っているみたい。
あらゆる行為は勝ち負けでしか決まらなくて負けたら人生終わり、みたいな。
まさにゲーム脳

例のゲーム脳を提唱している教授は中国に行かせたほうがいいです。
中国人はあまりにも多くの人がゲーム脳なので、彼は泣いて喜ぶと思います。

さて、ゲーム脳の解除を行うために効果的なアンチテーゼはいったいなんでしょうね。
「人生はゲームではない」ということをうまく言えればいいと思うんだけどなあ。
一時期流行った「成り上がりが失敗する」というような映画とかがいいのかもね。

お金持ちにはなったけどどうしていいかわからない、とか、
お金持ちにはなったけど不幸だ、とかその辺のリアルな事情を教えてあげるべきかもしれない。
どんなにゲームで勝っても幸福になることはそれとはまた別な話なのです。

ほっといても気がついたときには「我々はなぜこんなところにいるんだろう?」
と疑問を持つようになるんだけど、そのときには手遅れになっている人も多いでしょう。

あとナショナリズムはなにも生み出さないってあたりを指摘したほうがいいな。
ファンドマネージャが大コケする映画があったけど、あれを中国人バージョンでリメイクすると用途的には近いかなあ。
中国を助けることになるし、日本の国益にも適うと思うんだけど誰か作りませんか?