高年齢者に食い物にされる若者たち

なぜフリーターとかニートとかいう人たちが最近になって出てきたんだろうか。
なぜ前まではそういう人たちは注目されていなかったの?

これはブログとして書いておかないとまずいと思うので触れておきます。
ちょっとよくわかっていなかったのですが、
あるブログを読んで現象の全体像が掴めました。

正社員ポジションはどこへ?
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080803

バブル期には多くの人がリストラされたのかと思っていましたが、
結果的には、ほとんど誰もリストラされなかった。

そのかわりに若者が雇用されなくなりました。
結果としてフリーターなどが増大したり、ニートというものが世の中に増えています。
バブルの崩壊とフリーターやニートはすごく深く関係しています。
高年齢者の雇用を守るために、若者の雇用が犠牲にされてしまいました。

フリーターやニートを現代の若者特有の精神的な問題であるとする指摘もありますが、
そういった指摘はすべて誤りです。

自分探しが止まらない (SB新書)

自分探しが止まらない (SB新書)

とか。


原因は具体的で現実的なものです。

バブル期には当時の世代の雇用を守るために、若者を切り捨てました。
現在存在する社員を守ることに全力を使った。
会社として、その判断は通りやすいでしょう。

「社会のための会社である」なら若者を雇用すべきですし、
「会社としての未来を考える」なら特定の世代が少なくなるといった方向を選ぶべきではない。

でも、そういった理屈は通らなかった。
「現世代の雇用を守る」ことこそが最優先課題として実行されてしまいました。

そして、バブル崩壊が終わって経済が回復しても、
企業は新卒を増やすことはしても、中途採用を増やすことはしなかった。
過去に若者を雇用しなかったことを瑕疵としては認識していない。

特定の世代を雇用しなかったことに対して、
誰もなんの罪を負うこともなかったわけです。
もちろんそんな抽象的な罪を一個一個の会社が背負うのは難しい。

その罪をまともに背負うためには高年齢者をどんどん首にして
中途半端に年を取った若者を雇うしかない。
そういう判断が多くの経営者に可能であるとはとても思えない。

地球環境を守ることなんかよりずっとずっと重要であるとしても、
お題目としてわかりやすい「地球環境を守れ」とか「エコ」のほうが優先されるだろう。

なぜフリーターとかニートとかいう人たちが最近になって出てきたんだろうか。
なぜ前まではそういう人たちは注目されていなかったの?

その答えは、
経済的に危機に瀕したとき、当時の雇用者世代が既得権益を徹底的に守ったから
です。

そのしわ寄せが特定の年代に影響を与えている。
ニートの人は堂々と親のすねをかじっていい。

ニートが雇われなかったのは親の世代のせいなのだから。



もちろん、会社としては若者がある程度いるほうがいいんです。
老人ばかりの会社が効率のよい経営ができるはずがない。
世代の分断が発生して、ノウハウを次世代に伝えることができなくなる。
そして高年齢者は給与が高い。

会社全体の効率を考えたら、確実に老人を切って若者を入れたほうがいいに決まっています。
日本全体で若者を雇用しないということは
日本全体の効率が下がっているということです。

世代の偏りが発生していることにより、
国際競争力が下がっているのではないかと思います。

なにか大きな問題があったときに誰かが罪をかぶることになるんですが、
それが特定の世代であったりするのは間違っている。
「高年齢者のために若者は死ね」という価値観がまかり通っていいはずがない。

いずれ高齢者たちが加齢で全員死んだとしても、現在の若者たちがそのときに雇用されることはない。
このゆがみはどこかで解消されなくてはならないと思います。
そうしないと若者が浮かばれない・・・というか僕が浮かばれません。