他人の死をナショナリズムのために利用しないでくれ

痛いニュースが痛い
米国人「韓国は悪の枢軸…今すぐ爆撃すべき」…反韓感情を強める米ネチズンたち

いや、それはあたりまえか。
えとね、
右翼なのはいいですよ。
僕はどちらかというと左翼側に分類される人間だとは思うんだけど、まあニュースだし、個人のブログなんだからそんなに細かいことは気にしません。
韓国嫌いなのも別にネタとしてはいい。日本にも問題はありますが、韓国のほうもおかしいところもあるし、
ネタとして楽しめる分にはどんどんやっていいと思う。
というか僕は毎日痛いニュースを見るのを楽しみにしています。愛していると言ってもいい。

でもさ、
人が死んでるときにその死をネタにして、楽しむってのはどうなんだろうか。
バージニア工科大学の事件では30人以上が死んでいるわけです。

その状況で「韓国がアメリカに叩かれているのを諸手を上げて喜ぶ」って神経はどうなんですか?

韓国の新聞が変なカリカチュアを載せちゃうってのは確かにおかしいとは思う。
でもさ、そのおかしさを徹底的に追求しようとする立場も同様におかしいんです。
なぜなら、そんなのは事件の内容にとっては枝葉末節なんですよ。

いいですか、この事件は国籍は関係ないんです。
日本人だって起こそうと思えば起こせるんです。

いじめられっ子によるいじめっ子への反撃というのは過去に何回も発生している。
もしも彼らが銃を手に入れることができたら、何十人でも殺しているでしょう。
日本でたまたま大量殺人が発生していないのは銃が手に入らないという理由だけです。
映画「ボーリングフォーコロンバイン」や「エレファント」を観ればわかるようにアメリカでも過去にも同じような事件が起こっているんですよ。

国籍や民族性なんてものは一切関係ない。
「韓国人だから」事件を起こしたわけじゃないんです。

どこの世界にもいじめられっ子は存在するし、
たまたま精神が強靭ではなく、ケアしてくれる人がまわりに存在せず、被害妄想に陥ることももちろんあるでしょう。

精神的な環境だけについて言えばどこの国でも起こることなんですよ。

そんな普遍的な事象をもって特定の国のバッシングに繋げるなんてのは愚の骨頂です。
アンフェアもいいところです。

確かに韓国は日本に対して理不尽な言いがかりをつけてくることも過去に多かったとは思いますし、これからもあるでしょう。
だからといってこちらもアンフェアな言いがかりをつけてよいということではない。
犯罪者に対して犯罪的な行為で立ち向かうようなものです。
そんな態度は何も生み出さないし、状況を混乱させるだけです。

本当に重要なことは殺された人たちの死を無駄にしないこと。
今後、同じような問題が発生するのを防ぐことです。
日本はいじめ大国なんですから、防止するノウハウを作って世界に広めてもいいし、
心理療法士を配置して、学生全員に定期的なカウンセリングを義務付けるようにしてもいい。

原因や対策を考えることこそが事件への正しい対応のはずです。
「あなたがこの事件からなにを学んだか」が重要なのです。
対岸の火事じゃない。

あなたが過去にいじめっ子であったなら、明日にはいじめられっ子に殺されるかもしれないんです。
あなたが殺されなくてもあなたの兄弟や子供が殺されるかも。
あるいはあなた自身が誰かを殺すかも。
人間の心ってのはそんなに強靭じゃないのです。
誰にだってダークサイドに落ち込む危険性というのはあるんですよ。
もしもあなたが「自分はそういうことにはならない」と思うのであれば、たまたま今までにそういうきっかけがなかったというだけです。

だから「韓国ざまみろ、うへへ」と思うのはやめて、自分の問題として考えてください。
チョ・スンヒくんの被害妄想と成立原因を客観的に捉える努力をしよう。
「一回きりの特殊な問題」ではない。
過去に同じようなことは何度もあったし、これからも発生し続けるでしょう。
(簡単に解決できることではないにせよ)今現在のこの社会に問題があることがはっきりしているのだから「臭い物に蓋をする」のはやめてください。

そして国家的な問題ではないものについてナショナリズムを煽るのはやめましょう。
それははっきりとアンフェアな行為です。
他人の死を自分の利益のために勝手に利用するのはやめてください。
死者への冒涜であると同時に問題の粉飾です。