新しい自動車の形

痛いニュース
“若者、車離れ” 日本国内で車売れない…トヨタ、本気でアイデア募集 というのがあったので考えてみた。
ちなみにその元記事はJ-CASTニュース

道端に座って、通り過ぎる車を30分くらい眺めてみる。
そうするとわかることは、自動車に乗っているのはほぼ一人ということ。
たまに二人乗っていることもあるけど、4人乗れる車にほとんど一人しか乗ってない。

つまり四人乗りってのはたぶんオーバースペック。
日本の車ってのは膨大な量の無駄なものを運んでいる。
助手席と後ろの席とその空間、およびそれを支えるフレーム、それに見合ったエンジンとガソリン。
そんなものはぜんぜん運ぶ必要はない。

でも、じゃあなんでみんなバイクに乗らないのか?
うーん、雨の日に濡れるのが嫌なんじゃないかな。
営業などの商用車なら運転者が濡れてしまっては話にならない。
商品が濡れてしまうのはもっと駄目だ。
雨だからお休みですってわけにはいかない。
バイクに乗った状態で雨に濡れると体温を奪われるので、消耗する。
乗っている人間が雨に濡れたり疲れたりするようでは困るんだろう。
二輪車は雨の日とかスリップして事故になることとかありそうだし、低速走行時は車体が安定しないという問題がある。
橋の上などを通るときなどの横風にも弱い。
バイクの場合、耐候性と安全性が問題なんだと思う。

では、それを解決した商品を開発すればいい。

たとえば、

・カウルとアシスト動力付き4輪リカンベント
・屋根とドア付きの4輪スクーター

みたいなものがいいんじゃないか。
耐候性については外装をつければ簡単に解決できると思う。
外装のサイズをちょうど人間一人分のスペースにすればいいだけです。
安全性については4輪にすることで低速走行時に転倒することがなくなる。

でも、これだけでは現在の自動車の安全性には劣る。
重量が軽い分だけ衝撃には弱いし、事故のときの死亡率は高くなってしまう。
高速運転時などのスリップの可能性は高くなる。
その弱点を補うくらいの徹底的な安全性を追求したい。
現在の安全性についての考え方を根本的に改革するくらい。
年間何千人も死んでいる状況を改善したいと考える。
死亡者数は現在の10分の1以下に抑えることを目標とする。

そのためにすべての車にモニタと全方向センサー、GPSとサーバーとの通信システムを実装し、
サーバー上でリアルタイムに物理的な環境を完全に再現する。
物理環境が完全に再現できているので、衝突予測が容易になる。
事前にこれからなにが起こるのかが運転者にわかるようになる。

これによってできることは、
・交差点などでの事故発生の自動的な回避、および被害の軽減。自動車同士の死亡事故発生率を最小に。
・携帯電話でGPS機能を持った歩行者は3Dでモニターに表示され、障害物などで運転者から見えない歩行者を回避しやすくなる。
・事故発生時点の状況の再現。検証労力の大幅な軽減と、正確な責任分析。冤罪の防止。
・危険な運転を行う運転手の事前検出。近くを走行している運転者の危険度がモニタに表示される。
・対向車線にはみ出すような酔払い運転や居眠り運転と思われる運転をした場合は速度が低下し、自動的に路肩に停止。
・違法運転や違法駐車をリアルタイムに検挙することが可能。
・障害物などとの距離が運転席からわかるのでバックでの車庫入れなどが若干やりやすくなる。(というかサイズが小さいのでそもそも車庫入れは難しくない)
・事故車をリアルタイムに検出できるので、高速な後処理が可能。

要するに自動車というものを群体として統括的に扱うことができるようになる。
パケットの制御みたいですね。

その他の利点としては、今走っている車に比べて圧倒的に重量が軽いので電気で稼動できる。
ガソリンで稼動するタイプでも軽い分だけ燃費がいいので維持費は安くなる。
大気汚染が大幅に改善する。
駐車スペースが小さいので、土地の管理が比較的ルーズな地域ならバイクの駐車場に置けるだろう。
都心などの土地の管理体制がシビアな地域でも占有スペースが現在の半分以下なので、駐車場代は減る。
既存の自動車に比べて安全性は高いので、自動車保険の保険料は安くなる。

問題点:
重量が軽いために横風にあおられるのと、凍結した路面でスリップする危険性が既存の乗用車よりも大きいのが懸案か。
海岸線や山間部などの風速が出る地域での使用には適さないし、風のあるときに高速に乗るのは危険かも。
横面積を小さくするなどの横風に対応したデザインにするべきかもしれない。
路面が凍結した場合には通常よりも制限速度を低く設定する必要がある。

複数人が同時に搭乗することはできなくなるので、人を運ぶ用途には使えなくなる。
自動車そのものの台数は増加する。

この方式の発展途中では運転者の自由度が制限されるように感じる。
追い越しや車線変更での危険性検出が過剰に動作してしまうとストレスの元になる。
そのために反対運動が勃発する可能性がある。