痛いニュースの中の人の思考回路が不明

【君が代】 6ヶ月停職処分中の根津公子さん 毎日『出勤』 校長困惑
というニュースがありました。

えとですね。
痛いニュース」は根本的に管理人の人がかなり天皇大好きなので、元スレからそういうコメントしかピックアップしてないみたいです。
それはわかっているんですけど、それを差し引いてもIridiumとしては痛いニュースの中の人たちの思考回路がどうなっているのかよくわからない。

という事情について少し説明します。
少し前に、アップローダーサイトの管理人が警察に捕まりました。

全国最大規模のアダルト画像掲示板サイト運営者を摘発/神奈川県警

罪状を読むと数ヶ月間に渡って無修正のエロ画像をアップロードしておいて、広告収入を得ていたのが摘発の理由みたいです。

まあ、無修正のエロ画像サイトの摘発そのものはしかたないとは思うんですけど、
ポイントは画像掲示板の管理者側を逮捕している点ですね。
なにがマズいかというと
1、画像の数や掲示期間についての規定が法律で定められていない(たぶん)ので、
  理屈としてはどんな画像掲示板でも逮捕することができてしまう。
  サイトをつぶしたければ自分で無修正のエロ画像をアップロードすればいいわけですからね。
  つまり警察側の裁量範囲が広すぎるんです。
2、アップロードした人ではなくサイトの管理者を逮捕してしまっている
  つまり「自由に画像をアップロードするサイトを作ってはいけない」と言っているのに結構近いんです。
  でもですね、今のところそんな規定はどこにも存在しないはずです。
  もしも画像アップロード掲示板の管理者を逮捕するなら、(良し悪しは別として)まずは
  「誰でもが自由に画像をアップロードすることのできる掲示板を公開するのは禁止である」という法律を先に作るべきなんです。
  順番が逆になってしまっている。

現時点でエロサイトを規制するのは確かに必要でしょうけど、本来的には「裁量で」逮捕するのは理想じゃない。
少なくとも期間や数などの何らかの基準が設定されているべきです。
法律が追いついていないので警察が裁量の範囲が広くなりすぎちゃってるんです。
こういうことを放置しておくと警察の権限の暴走に繋がる可能性がある。
警察というのは基本的にマッチョな組織なので、裁量範囲を広く取りすぎることは危険なんです。
冤罪や過剰逮捕に繋がってしまうかもしれない。

上記の事件の影響で逮捕を恐れた類似のサイトが次々に閉鎖します。
画像ちゃんねるに続き「VIPろだ」「がむしゃら」「カサマツさん」など大手アップローダーサイトが閉鎖

ネット社会においてはこれは大きな問題です。
普通に違法ではない画像をアップロードした人にも影響が出てしまっている。


他にもやばい逮捕理由の事件は発生してます。
児童ポルノサイトのURL紹介で、全国初の逮捕者
「リンクがある」という理由で逮捕できるなら、すべての検索エンジン会社を逮捕できることになってしまう。
やっぱりここも裁量権の広さが問題ですね。

これだけ裁量権が広いと別件逮捕とかが簡単にできてしまう。
誰でも逮捕できるので警察さえその気なら、一切法律に違反しないで今すぐにでも統制的な軍事国家になれます。
(現状は警察がたまたま良心的なので壊滅的な状況に至っていないだけ)
そもそも「誰でも逮捕できる」という状況がおかしいのです。
その現状に対してはちゃんと「おかしいよ」と言い続ける必要がある。
ほっておくとどんどん自由が侵害される危険があるのです。
そういう意味で「痛いニュース」でのアップローダーサイト摘発への批判的な反応についてはIridiumは好意的に捉えていました。

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【君が代】 6ヶ月停職処分中の根津公子さん 毎日『出勤』 校長困惑
なんですけど、これは君が代斉唱のときに歌わなかった教師の人を停職処分にしたら、
停職にされた人が学校の前にきてプラカードを持って座っているという事件(?)ですね。

うーん、Iridiumとしてはこれはなかなかすごいと思います。
普通の人にはできることではありません。
自分の停職理由に不満でもそれを大きく主張できる人というのはあまり存在しないと思います。
まずはそれをちゃんとやれているということでポイント高いです。
外山恒一さんとかもかっこいいと思うのですが、Iridiumパフォーマーを高く評価します。)

Iridiumは別に国歌を歌おうが歌うまいがどっちでもいいのですが、
以前は国歌を斉唱しなくても停職処分とかにはならなかったわけです。
歌わない自由ってのが保障されていました。
公務員であっても国の全ての政策を支持する必要はなかったのです。
部分的に「よくない」と思えばそれを拒否することができた。
ところが、ここ最近になって(特に東京都では誰かさんの影響で)教師がどんどん停職になるようになってきている。
えとですね、これはやばい兆候です。

「政府のやることは公務員はすべて支持しなくてはならない」という方向は統制的な政府に繋がっていく。
もしも政府が理不尽な政策を決定しても、それに従わないといけなくなっていくんです。

政府ってのをそんなに信用できますか?
権力ゲームの塊みたいなみなさんですよ?
どの政党のホームページに行っても大したことが書いてあるわけでもない。
役割を果たしているだけであり、信用できない人々です。

公務員であっても不満な政策に対しては「不満である」と公言できないと駄目です。
大きな組織が「正しい」と言うことであっても自分が「不当だ」と思うなら従わないことです。
そしてそうすることが許されていないといけないんです。

「一億総懺悔」という言葉がありますが、「大勢に流されないこと」が敗戦時の日本人のみなさんの最大の反省であったはず。
「全員を一律のルールに従わせること」よりも個人の意思の自由こそが重要なんですよ。

つまり

「自由の尊重」という精神が侵害されているという意味で前述のアップローダー規制の問題と国歌斉唱の強制問題はなんら変わらないんです。
自由への攻撃に対して立ち上がっているという意味でアップローダー規制に反対している人と根津公子さんはまったく同じ立場にいる。
そこに気がついてください。
あなたたちはよく似た仲間なんですよ。
仲間を攻撃してどうするんですか?

ちなみに以前このブログでは「君が代斉唱時に起立しないということ」というエントリがあります。