服エイリアス

えとですね。
昨日、「未来はどんな世界になるだろうか」というエントリを書いたのですが、その中でちょっと服の購入サイトについて記述しました。

で、ですね。

これは実は今でも部分的に実装可能なんです。

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現実世界でお店に服を買いにいくじゃないですか。
すると必ず店員に声をかけられてしまう。
僕はあれがものすごく苦手です。(以下、心の叫び)

じっくり検討させてほしい。
デパートなら全部の店を見て回って自分にとってベストのものを選びたいんです。
それをやろうとすると、すべての店のすべての店員から声をかけられることになる。
50店舗入っているデパートなら50人から、「なにかお探しですか?」とか
聞いてないのに品物の講釈を受けることになってしまう。
これは消耗します。

僕は人間との接触が苦手なのです。
不特定の人は特にまずい。
売店の店員みたいな人は「売りましょう」みたいな意図が見えてしまうから辛い。
個人の持つ雑多なスペックや心情を押し付けられてしまう。
否応なしにそれを「味わう」ことになる。おいしくないものを無理に食べさせられる感じ。
「無条件に他人に話しかける」ということは普通は勇気のいる行為です。
恐れがないというのは人間の違いというものを無視している。
やってる人だって大雑把な感性がないとそれには耐えられない。
つまり、小売店の店員には大雑把な人が集まっているんだろう。
そういうタイプの人が苦手なんだと思う。
主体同士の間に存在する深い断絶や闇というものをまったくわかっていない。
「あなたと自分は異なった人間なのですから、それにふさわしいだけの距離を持ってください」と言いたい。

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というわけで、できれば服の購入はネットでやりたいんです。

ところが、現状ではネットで服を購入するのはものすごく難しい。

検索対象となるアイテムが多すぎるんです。
シャツが欲しいときに「シャツ」という単語だけで検索しても検索結果が多すぎて、とても全部を見ることはできない。

A、検索エンジンでは絞りきることができない
「男性用のシャツで綿100%、無地であまり厚手でないもの、褐色」といった条件だと
気持ちいいくらいぜんぜん関係ないサイトばかりが当たってきてしまう。
Googleではこうなります。

あと

B、生地の質感がよくわからない
実際に触ってみないとよくわからない。

本当を言うと
C、試着もしてみたい
サイズが合わないと嫌だし、似合わないと困る。

そんなことを言い始めると店舗に行かなくてはいけなくなるんですが、
とりあえずネット上で上記の条件を満たす方法を考えてみます。

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A「検索エンジンでは絞りきることができない」に関する解決案:

2つの方法を考えてみました。

A1、「タグ埋め込み + 専用検索スキーム」方式案
WEBの商品情報にxmlとかタグで埋め込む


  T-shirt
  male
  cotton
  none
  thin
  brown

みたいに。
誰でもが検索サイトを立てれるように検索するための専用スキームを規定する。
なにを検索したいときはこのように検索すべき、とか表現ゆれの解決とかの方法の標準化ですね。

この方法の致命的な弱点は、*データ元サイトの人*がファイルを書き換えないといけないという点です。
そんなことやってられない。
全部のサイトが対応するまでに時間がかかりすぎるし、
そもそも方式が広まらずに対応してくれないかもしれない。
最終的にはこうなるべきとしても、現時点では現実的ではない。
Iridiumの服を探したい、という欲求にダイレクトに応えられない)

で、次の案ですが、

A2、服の購入用の情報共有&検索サイト案

要するに誰かが作ってくれないのなら自分でデータを作ればいいのです。
ぐるなびみたいにエイリアスページを作って勝手に評価をつけてしまえばいい。

ただ、これも全部人間がやると大変なので、大部分は専用のクローラを作って行う。
専用クローラで検出不可能な部分については気がついた人が埋めていくって感じですね。

専用クローラのデータ抽出方法について考えてみます。
HTMLを見ていけばたぶん種類はわかる。「シャツ」とか「半そで」で判定する。
素材ももしかしたらわかるかもしれない。「綿」とか「コットン」で判定
柄は「無地」とか「〜柄」とか「〜模様」で判定
厚みについては「薄手」「厚手」「軽い生地」「しっかりした素材」とかで判定
色については「褐色」「ブラウン」「茶色」「こげ茶」「赤茶」とかで判定する、もしくは
画像の解析を行って中心周辺の色の平均を抽出してもいい。

あー、そう考えていくとクローラを作るだけでデータの要件はほぼ満たせそうな気がします。

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B「生地の質感がよくわからない」に関する解決案:
とりあえず専用の生地解説ページをつくる。
接写すればだいたい「ああ、こういう生地なのね」ってわかってもらえる場合がほとんどだと思う。
製造工程や原料、編み方について解説してもいいし。

あとは、生地サンプルを購入してもらって郵送するシステムとか。

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C「試着もしてみたい」の解決案:

試着は無理なので、可能な限り体型にフィットした服を求めるために数値で処理することにする。
とりあえずサイズ的な問題は自分のサイズを測って、該当する数値内に収まるかどうかを決めるしかない。
数値を毎回は入力したくないので、そういう意味ではユーザ登録処理は必要だね。

インチは変換すればいいけど、LとかMとかSでサイズが規定されているのは困る。
服の種類や会社によって定義がまちまちだ。

クロールしてデータ化することはできても、これだと数値で比較することができない。
なので、まずクロール段階ではちょっと幅をとって数値化しておく。
(アイテムの種類によってデフォルトの値は変化すべきかもしれない)
で、献身的なユーザが商品を購入したら商品の実際の長さを測ってもらい、エイリアスページを更新してもらう。

あと似合うかどうかなんだけど、これは自分の正面からの全身写真を登録しておくと
自動的にコラージュが作れる機能を実装する。
最初の自分の写真の登録時に肩の位置やウエスト、ヒップの位置をポイントしてもらえれば、
画像のだいたいの縮尺は計算できる。
拡大と縮小はユーザに操作させるようにして、
当該商品のコラージュの表示時に他のユーザが行った拡大/縮小操作の平均がデフォルトになるようにしておけば、
ほとんどのケースではユーザは操作しなくてよくなると思う。
(商品の正面写真のないものは駄目ですけどね)

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資本があるなら一気に全部実装してもいいでしょう。
一人で作るなら技術とかのある人で1年、これから勉強する人(僕のような人)なら2年か3年くらいかかるかなあ。
特に画像処理らへんを僕がやると時間がかかりそうです。

このサービスでは、検索時に条件にかなり近いものだけがリストアップされるので、欲しい服が一回の検索で見つかります。
(一画面内のリストの中に欲しいと思っている服がある、というレベル)
検索結果に無駄なエントリというものがほとんどない。
ユーザは一切小売店に行かなくてよくなる。
運営費用は広告でもまかなえるし、エイリアス先のサイトとアフィリエイトを結んでもいい。
ネット上での服の売り上げを大きく向上させることができる。
「日本ネット衣類販売協会」みたいな団体があれば最高にお勧めのプロジェクトです。

誰か作りませんか?