大学付属病院とはなにか

歯の治療が近所の医者ではもう手に負えないということになり、
「大学病院にいけ」と言われたので行ってきました。
今回行ったのはお茶の水にある東京医科歯科大学付属病院ですね。

大学病院というのは、「大学=病院」ではなく、大学の一部の施設として病院がくっついているという感じです。

なので、建物は大学の構内にあります。
立て込んでいるので行き方がわかりにくい。
しかも入り口がたくさんあって警備員もいてどこから入るべきか迷います。
(どこから入ってもよかったみたいですが)
行ってみてはじめて御茶ノ水の駅側(というか川)に面した入り口から行くと近いことが判明しました。

最初は新患の受付のところに行くんですけど、予約をとったほうがいいらしい。
東京医科歯科大学のWEBページ上では予約を取るべきかどうかの記述が曖昧なので迷ったのだけれど)

患者はほとんどおじいさんとおばあさんしかいない。
それはたぶん診療時間のせいだと思う。
平日の午前中とかしかやってないんだもん。
働いている人が何度もこれないよなあ。
たぶん治るまでに有給を全部消化しちゃうし、そもそも自由に有給取れる人ばかりじゃないしな。

そして恐ろしいことに、初診から担当医が決まるまでに3ヶ月かかるんです。
あー、もう一度言っておきましょう。
担当医が決まるまでに3ヶ月かかります。(実際に3ヶ月待ちました)
葉書に名前を書いておくと、3ヵ月後に郵便で送ってくれます。
(郵便事故とかで届かなかったらどうなるんだろう)
だから3ヶ月先の予定を見越して診療に行かないと駄目です。

要するに待っている患者が多く、しかも医者や機材や面積が足りていないんです。
しかも事前に「3ヶ月待ちますよ」とは教えてくれないんですよね。
WEBページと受付のところに大書しておいてほしいです。


建物自体は古いのですが、部分的にモーター式のカルテ輸送システムがあります。
待合室で箱が天井を移動しているのを見るのが楽しい。
あれはもしも一つの箱のモーターがトラブルと大変でしょうね。
病院の全業務が滞ってしまう。
フラットなネットワーク(?)なので、障害には弱そう。
故障したらどうなるのか見てみたいです。

治療室みたいなところの前で待っていると、患者でやたら腰の低い人がいます。
一人とか二人じゃないんですよ。
治療してくれる先生のことを家族みたいに思っていて、ものすごく好きみたいだ。
あれはどういう理由なんだろう。
権威主義大好きさんなのか、それともその先生が本当に偉い人なのだろうか?
それともストックホルム症候群か?
うーん、よくわかりません。


治療がはじまると町医者ではやってくれないようなマニアックな処置をしてくれます。
レントゲンの枚数や角度も多いし、顕微鏡で歯を見てくれるのはいいなあ。
あともらう薬も確実に効くものが多い気がします。
そのへんはノウハウとかがあるんでしょうね。

ただし、設備とかは古いし壁や床は年代を感じさせます。
空間的にも狭く、人が歩くときに気をつけないとぶつかります。
町の歯医者さんみたいに見た目の清潔さとかにはこだわっていないみたいだ。
競争スキームの違う大学病院としては当然といえば当然なんですが潔いですね。

治療中に患者の痛みとかは気にしません。
顔の上に手を乗っけられると痛いのですが、文句を言うべきか迷う微妙なレベルの痛さなので、
結局言わずに終わってしまう。
まあ正確な治療のために手をどこかに固定したいのはわかりますし、顔が一番手近な器具であるのもわかるんですが
町医者では自分の顔を手の固定用に使われることはなかったなあ。

治療の方針としては町医者とほぼ一緒なのが微妙に気になります。
セオリー通りなのかもしれないけど、前にも同じことやってもらったんですよ?
そういう主張をしても治療方針は変わりません。
技術に自信があるのかな?それとも町医者に対する不信があるのでしょうか。

まあ、総合的に言うと「治療すること」に特化しているので、見た目の美しさとか患者への気遣いとかの治療以外の面については切り捨てる、というコンセプトの施設ですね。

ある意味正しいんだけど、ちょっと不思議な体験です。
これで治るなら自分も何も文句ないですが…。
まずはお手並み拝見かなあ。

あ、治療にかかる金額は普通とほぼ一緒です。
待ち時間が長いので本を持っていくといいかもしれません。