食費を節約しようと考えてはいけない。

多くのサイトで「食費をいかにケチるか」というテクニックが紹介されていたりする。
実際のところ、食費を削ることは可能だし、
学生はお金がないので食費を削りたくなる気持ちはわかる。

でも、
絶対に食費を削っては駄目です。

今のところだいたい一食に千円くらいかかっている。
自炊してこの値段だ。
これでも栄養は足りていない。
たぶん自分の理想とする栄養状態に至るためには、
この二倍程度の金額をかける必要があると思われる。

つまり一食千円程度の食費では十分ではない。
特に東京などの都市部での生鮮食品は、生産してから時間が経過したものが多く、栄養が不足している

自分の場合は一日二食なので、一日二千円は確実にかかる。
一か月を三十日とすると6万円はかかる計算だ。
もしもあなたが一人暮らしで一か月の食費が6万円よりも安いというのなら、それは危険です。

栄養が不足していることの影響はすぐには目には見えづらい。
もちろん肌荒れや風邪を引きやすい、元気が出ない、疲れやすい、などのわかりやすい結果もある。
そういう結果についてはまだ目に見えるので対処しやすいとは思う。

もっとも深刻な影響は精神についての影響だ。
精神はホルモンの影響を強く受けており、栄養が不足すると精神に様々な影響をもたらすものと思われる。
精神への影響は自分ではわかりにくいので、非常にコントロールしずらい。
このために対処が遅れる。
個人的には現代のうつ病の増加の原因は栄養の不足が原因ではないかと考えている。

冷凍食品やインスタント食品の問題点は、もともとの食品に存在していた栄養分が大幅に削減されている点だ。
食味や風味があったとしても、本来食事の目的であったはずの必要な栄養分を取得できないものになってしまっている。

砂糖は安価で広く普及しており、一時的な疲労回復用途にはいいのだが、砂糖は実は危険な食品だ。
血中に糖分が急激に増加すると、対応して糖分の取得を抑える強力な作用が働く。
血液の成分が劇的に変化するジェットコースター状態が発生する。
これが発生すると、食後に非常に深い倦怠感に襲われる。
うつ状態に近い状態になってしまう。

この状態を緩和するために糖分を取得するとジェットコースター状態が継続し、最終的には血液の糖分調節機能が正常に動作しなくなる。
日常的に長い倦怠状態が続き、糖分を摂ったときだけ活動的、という発作的な行動様式になる。
いったん壊れた糖分調節機能を元に戻すのは、不可能ではないが長い時間と食事療法が必要になってしまう。

食費を制限すれば短期的にはいくらかの金額を節約することはできるだろう。
しかし食費を抑えたことによって発生する疾患を治療する医療費や、
肉体や精神への影響による機会損失を考えると、長期的には得をすることはない。

都会に出てきた学生などが食費を節約することは致命的だと思う。
学生というのはそれまで一人暮らしをしたことがないことが多い。
はじめて一人暮らしをする人がほとんどだろう。
そして学生は金銭感覚がかなり低いところにある。
社会人に比べて食費を高いと考えがちだ。
しかも困ったことに自炊をする意欲がないケースもある。
つまり、大学生などは栄養的には非常に危険な状態にある。

毎日自炊して、さらにサプリメントを取得してさえ、
栄養分が不足するというのに、食費を制限して栄養が十分にとれるはずがない。

この問題を本格的に改善するには、すべての大学を全寮制にして栄養状態を厳しく管理するなどの方法しかない。
それはなかなか難しいので、当面は個人個人の努力に任されている。
今後とも個人の努力に依存する状態が続くだろう。自分の健康は自分がなんとかするしかない。
自分の状態を完全にモニタリングできるとは限らないので油断は禁物だ。
栄養の不足によって自分自身をモニタリングしようとする意欲や能力自体がどこかでうまく機能しなくなる危険性すらある。(というかそっち側に倒れるケースのほうが圧倒的に多い気がする)
そういった事態を避けるために少しでも栄養状態を良好に保つように努力してほしい。
食費を節約しようと考えてはいけない。