難民とオフコース

「国連難民支援 日本UNHCR協会」のアプローチがいかがわしいという指摘はすでに他のブログでも行われている
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/149
のだが(消されてた)、
http://www.japanforunhcr.org/
実際に見てみると困ったことに「ページを開いた途端にいきなり音楽をならす」という恐ろしい禁じ手を繰り出してくる。
普通に驚いてサイトを閉じます。

あざとさ満載です。これ、やってる本人は気がつかないものなのか。
「なにがあっても絶対に寄付などしない」という決心がつく

しかもオフコースってどうなんだ。
録音はその当時のものじゃないか?
なつかしいなおい。

すごく偽善偽善して聞こえちゃうんだけど、ま、30年前もちょっと赤面する感じはありました。
個人的にはこの曲については「奇麗事すぎる」という印象はずっと付きまとっています。
地に足がついていないというか、歌詞が抽象的なんですよ。
手の届かないものについて歌うことも一つの「危うさ」という味なのかなと、妙な納得をしていた。

ちなみにこの曲「生まれ来る子供たちのために」の歌詞をよく聞いてみると、
「1人また1人友は集まるだろう」となっているが、その集まった友で構成されたオフコースはこの後しばらくして解散した。
その原因について自分は勝手に想像している。
オフコースは企業としての特定の事務所に所属することはなかった。
面白いことにファンによる運営だった。
運営の多くが小田和正のファンであり、オフコースのファンではなかったという点が大きいのではないか。

※:横浜の小田和正の実家である小田薬局にいったときに、店員がすごい美人だったのでびびった。
  小田和正の実家であるという理由以外でそんな美人が普通の薬局にいる理由がない。
  そんなことはおかしい。まっとうな薬局にはくたびれたおばさんがダルーな面持ちで存在するべきだと思う。
  「ファンが小田和正を私物化している」という自分の印象は小田薬局からはじまっている。

結果としてバンドそのものが小田を持ち上げるための舞台装置になってしまったのではないか。
メンバー1人1人がないがしろにされてしまったことがバンド解散の理由ではないかと考える。
小田和正個人の楽曲を聞いてもオフコース時代を超える曲を作り出すことはできていない。

※:数年前のライブ映像をニコニコで見たんだけど、どう贔屓目に見ても過去の栄光にすがって生きる人になってた。
  自分のコピーを繰り返す感じになってたよ。あれはよくないよ。
  創造性ゼロっていうか職人ぽくなってた。
  そんなことを本人がやりたいと思っているとは思えないんだけど。
  ドライブされてしまっている。
  誰がそれをさせていると思う?

当時の曲をよく聞いてみるとわかるのだが、複数の個性のせめぎ合いと調和がある。
個性のハーモニーこそがオフコースの命だった。
オフコースの命はチームワークであったにも関わらず、ファンがバンドの命を消してしまった。
小田和正は決してチームワークが得意な人間ではないし、バンド活動に向いているとは言えないのだが、
バンドの解散は小田和正本人にとってもっとも不幸だったのではないか。
オフコースはあくまでもファンから独立した存在であるべきだったのだ。
美しい動物を殺してしまった。
もともとそれほど強靭な連帯ではなかったにせよ、繊細で美しく、中途半端で時代の音楽だった。
そういうことを思い起こされる曲が「難民を助けるために募金をしよう」と語るページで流されるというのは元ファンとしては複雑です。


上記のようなことを「はてなアノニマスダイアリー」で書いたら、
「小田さんは解散について自分の責任を感じてずっと反省しているよ」という感じのコメントをもらったけど、
自分としては小田和正個人に責任を帰すのはどうかと考える。
(というか反省しているのにあのライブなのかよ、って感じですが)

本来なら芸術家は自分の作品に集中するべきなんですよ。
すごく客観性があって頭のいい人ならそこまでマネージメントできるけど、彼はそんなに器用なタイプじゃない。
将来を含めたすべてを見通すことのできる優秀なマネージャーが必要だった。

ファンクラブの延長である人々の集まりには、そういう冷徹な計算を行う機能はたぶんなかっただろう。
オフコースには本物の百戦錬磨のバンド管理人が必要だったのですよ。

ファンはその誤った愛によってバンドを殺すことができるのです。(そしてそれはすごく自然なことですが)
ある局面においては大衆は盲目。
芸術家は人を信じちゃいけません。
小田和正本人に芸術家としての自負はないかもしれないんですが、それはそれとして)

オフコース 12CD-1134

オフコース 12CD-1134